炎症を中心にした病態理解に関する考え方。病態経路図解説。

2019年08月28日ATP ,亜鉛 ,免疫 ,炎症

ハートフルクリニックの平良です(^_-)-☆今回の記事は、久しぶりです。病態を診る際の考え方について解説します。病態経路図をお持ちの先生は、併せてご覧下さい。

多くの疾患で病態の中心をなすのは、炎症です。

その炎症がなぜ起こっているかを考える、これが上流になります。

そして、今ある症状はなぜ起こっているか、これが下流になります。

その上下流を考えることが病態診断になります。

上下流に対する対策を講じたとき、これが根本療法になります。

西洋医学の基本的な考え方は、診断と治療です。当然病態を考えない訳ではありませんが、診断がつくと、待っているのはプロトコールに基づく治療となります。

診断名が4つも5つも付いている人でも、病態は1つの場合があり、同じ根源から発生した枝分かれした病名であれば、根元に対する対策をするべきなのは言うまでもありません。

そのための考え方について語ります。

★多くの疾患は免疫が絡む炎症から形成されます。
★炎症の起きている場所を探すこと。
★炎症の要因として、SIBO、デイスバイオーシスなどの腸内炎症もあれば、歯周病、舌苔などの口腔内炎症、あるいは副鼻腔炎などの鼻腔内炎症などの発見が大切。
★炎症をもたらす食品、日用品を探す。全身洗浄料に含まれる物質、胃酸を抑える医薬品はデイスバイオーシスをもたらすので回避する。
★アルコール、睡眠、タバコなどのライフスタイルの確認も必要。
★ストレスなどの精神状況の確認も必要。
★炎症で亜鉛が不足、そのためにリメチレーションサイクルが回らず、メチレーション自体も停滞するので、ATP産生が停滞して、解毒がままならなくなる。
★毒物がたまりやすいので、毛髪検査などで有害金属のチェックをする必要がある。
★解毒をスムーズにするには、腸内環境の整備が必要。
★特に胃酸や胆汁、膵液の分泌は大切。これらの分泌にはカルシウムが必要なので、カルシウム代謝を正常化する必要がある。そのためにもビタミンD3が必要になる。
★腸にいいアミノ酸としてグルタミンやBCAAがあるが、疾患により禁忌となる場合もあるので要注意。
★IL-6はEPAやグリシン、ビタミンK、メチレーションなどがその抑制をするので、活用できる。
★炎症性サイトカインを抑えるために、NFκB、TGF-β、TNF-αなどの抑制剤をして活用すること。
★EPAやDHAなどのω3系の油とリノール散などのω6系の油を併用すると、炎症が抑制されることが報告されています。おそらくプロスタグランジンE1によるものと思われます。
★炎症の場所となりやすい、デイスバイオーシスを防ぐために腸内環境を善玉菌サプリメントや食物線維を日頃から摂取することです。

まとめ・・・病態の中心になりうる炎症についてその私見を述べました。炎症の要因とともに炎症の場所を見つけること、その対処が必要です。
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