病は口から入ってくる

2023年10月27日抗酸化 ,栄養療法 ,野菜

1.健康のために必要な栄養素

「病は口から入ってくる」、この言葉は、私の講演でいつも使うキーワードとなっています。
病を作る食材が口から入らないようにする一方で、病を防ぐ食材を口に入れることで健康長寿がもたらされます。
人の栄養素は、蛋白質、糖質、脂質の三大栄養素以外に、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカル、水分も健康維持に必要なものとなります。
フィトケミカルとは、動物や食物に含まれる人体に有用な生理活性物質です。
栄養素とは食べ物に含まれる生理活性物質を現したもので、実際の調理では、鶏肉、豚肉、牛肉、ラム肉などの肉類や野菜以外に、現在では加工された食材も使用します。
豆腐や納豆などの豆類加工食品、ミルクやヨーグルトなどの動物由来加工食品、さらに電子レンジやオーブンなどの調理機器、缶詰、カップ麺、レトルトなどの保存食、ケチャップやマヨネーズ、ハーブやスパイスなどの調味料などが使用でき、現代は食の形態、調理法や保存方法が豊富で、食の多様化時代すなわち「飽食の時代」といえます。飽食だからこそ、食材選択の悩みや食の落とし穴があるのではないでしょうか?

2.バランスを考える時代

よく「バランスのいい食事をしましょう」と講演会で聞くことがあります。
でもその中身は不明確なまま講演は終わります。バランスがいい、とは何を意味するのでしょうか?
私は、添加物や精製糖などの超加工食品をできるだけ控え、野菜を多めに取ること、できればスローフード及び低温調理で作ることがバランスだと考えていて、家族の料理当番である私は極力そのようにしています。

3.肉と野菜のバランス

野菜を多く食べることは、癌予防や抗酸化力による老化防止や長寿、さらには腸内環境改善、高血圧改善、体重減、美容や免疫力アップにも有用です。野菜は油を加え加熱することで栄養素の吸収がよくなり抗酸化力も増します。
人間の体は肉類から摂れる蛋白質やビタミンB12も必要です。野菜だけだとそれらが不足します。豆腐などの大豆製品やその他豆類からも蛋白質の摂取も可能ですが、ビタミンB12は不足します。
逆に肉が多い食事では腸内環境が悪化します。そのため野菜とともに肉類を摂取する必要があります。私が考えるバランスは、肉2割、豆類や豆腐を含む野菜8割です。

4.サプリメントは選択するべき?

サプリメントは食材の成分を濃縮した超加工食品ですが、優秀なサプリメントには健康をもたらす利点があります。
日本で提供されているサプリメントの多くは食品添加物を多用し、健康に悪影響を与える可能性があるのも少なくありません。
だからこそ私たちは、良質のサプリメントと、ほどよい肉や野菜のバランスを考えた食事、さらには健康にいい調理方法を考慮して、口に入れるものを厳選する必要があります。

5.調理例

以下を参考にして下さい。いずれも肉2割、野菜8割の比率で作ります。

①鶏胸肉と緑黄色野菜のスープ
鶏胸肉に含まれる抗疲労成分であるイミダゾールジペプチドは30分以上煮込むと吸収が良くなります。
緑黄色野菜のニンジン、トマト、ブロッコリー、ほうれん草などを一緒に入れて、味付けはお好みで30分以上煮込みます。

②牛肉を入れた椎茸と舞茸のポタージュスープ
お好みの味付けをした椎茸と舞茸のポタージュスープに、1cmの角切りにした牛肉を入れて煮込みます。免疫が上がります。蛋白質もフィトケミカル、食物繊維も摂れます。

③プチトマト、ブロッコリー、海老のアヒージョ
プチトマトと一口大のブロッコリー、海老をオリーブ油と日本酒とみりん、お好みのだし汁で煮込みアヒージョを作ります。抗酸化成分が豊富です。

④豚肉と豆腐、キャベツの肉野菜炒め
適量の一口サイズ豚バラ肉とキャベツ、豆腐の肉野菜炒めをお好みの味付けで作ります。沖縄の豆腐チャンプルーのようなものです。沖縄の健康長寿時代のメニューです。

6.まとめ

今回は口に入るものの重要性に言及しました。
まとめをすると以下になります。

①肉2割、野菜8割で摂取しましょう。
②野菜は調理油とともに加熱し摂取しましょう。
③野菜はスープ、特にポタージュをお勧めします。
④肉類は低温調理を推奨します。70度以上にして下さい。
⑤良質のサプリメントも活用しましょう。

今夜は肉野菜炒め、肉と野菜のポタージュ、豆腐と豚肉チャンプルー、あるいは肉と野菜の鍋ですか?

「健康も口から入ってくる」・・・ものなのです!

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