加熱調理のよしあし

2023年10月30日AGE ,EPA&DHA ,アンチエイジング ,がん ,タイラズレシピ ,料理 ,

1、基本的に加熱調理をお勧めします

 みなさんは毎日の料理を加熱していただいていると思います。

 健康にはサラダがいいと考えている人もいると思います。もちろんサラダもいいのですが、野菜を食べる際のさらにいい方法があるので、野菜は次の調理法をお試し下さい。

 加熱調理と加熱しない調理ではどのような違いがあるのか、普段考えないと思いますので、今回この記事で加熱調理のよしあしについて把握し、加熱調理の使い分けをして下さい。

2、加熱調理のメリットとデメリット

 ① 加熱調理のメリット

 加熱調理にはいくつかのメリットがあります。加熱は野菜の抗酸化成分を分解する酵素の活性を抑制することで、野菜の抗酸化活性が高まります。

 加熱調理でリコピンやβカロテン、ビタミンAやビタミンD・E・Kの吸収率が高まることも知られています。

 炎症を惹起し腸内環境を悪化させる野菜成分の活性を低下させるなどのメリットがあります。加熱により細胞壁が軟化することで。食物繊維や栄養成分の吸収率が高まります。

 栄養吸収には加熱、特に低温調理がお勧めです。

 野菜は低温調理で出汁を取ってポタージュにするのをお勧めします。サラダより栄養素の吸収ができます。

 鰹や昆布のうまみ成分は60度ほどの低温でうまみが抽出されますのでお勧めです。

 ② 加熱調理のデメリット

 加熱調理には思わぬデメリットもあります。

 高温加熱でアクリルアミド等が産生され食材の発癌性が高まります。

 加熱により油が酸化は酸化します。油の酸化を防ぐには、油の加熱時にローズマリーを一緒に入れることです。油の保存容器に乾燥ローズマリーを入れるのも油の酸化を防ぐことができます。

 加熱調理では、チーズや納豆などに含まれる抗老化素材のポリアミンが減少します。

 肉や野菜に含まれるαリポ酸、コエンザイムQ10は、加熱で減少します。

 玉ねぎに含まれる免疫アップ素材である硫化アリルは熱に弱いので減少します。玉ねぎの硫化アリルを減少させないようにするには、玉ねぎをカットして15分以上放置することです。玉ねぎを使用する  料理の場合は、最初に玉ねぎをカットしましょう。

 加熱によりAGE(最終糖化産物)という発癌性や老化を促進する物質が増えます。AGEの害を防ぐには糖質の過剰摂取を防ぐことや低温で調理すること、ヨモギを同時に摂取するなどの対策があります。20から25粒のアーモンド食は体内のAGEを減らすのでおやつにお勧めです。

3、生食のメリット

 加熱した魚に比べて、生の魚には免疫向上や認知機能維持にいいEPAやDHAの残存率が高くなります。加熱するとEPAやDHAが抜け落ちてしまします。

 肉や野菜に含まれる健康維持に必要な成分のなかには、熱に弱く加熱調理で減少するものがあります。

 αリポ酸やコエンザイムQ10などのエネルギー産生に必要な成分や、抗酸化や解毒に必要なグルタチオン、納豆に含まれ血液凝固を防ぐ納豆キナーゼは熱に弱い成分です。

 αリポ酸は、ジャガイモ、トマト、ニンジン、ほうれん草、ブロッコリー、豆類や肉類に含まれます。コエンザイムQ10は、イワシ、豚肉、牛肉、鶏肉、ブロッコリー、ニンニク、キャベツ、茄子に含まれます。グルタチオンはレバー、パセリ、ブロッコリースプラウト、カリフラワー、アスパラガスに含まれます。

 納豆は熱々のご飯の上に乗せないで、そのままで頂くことをお勧めします。

 生食あるいは低温加熱は、これら栄養成分の多くを残存させるので、抗酸化生活に有益です。

 最近では多種多様の低温加熱調理器が販売されていますので、活用するのもいいですね。低温調理の際は、付属の調理方法を記載した冊子を参照されて下さい。

 鶏肉は十分殺菌する必要があるので、低温調理では時間を長く設定する必要があります。新鮮なお魚は刺身で、納豆はそのまま頂きましょう。

4、低温調理チャレンジしましょう

  今回は加熱調理について記事をおこしました。

 特に注意して頂きたいのは、180度以上の高温調理は発癌性が増し疾病リスクが高まる、ということです。

 私の大好きな天ぷらも高温加熱ですが、前述のとおりローズマリーを使用することでその害を軽減することができます。天ぷらを頂く際は、大根おろしやレモンを活用することも健康的な食事法となります。

 この記事は、高温調理を否定するのではありません。加熱調理のメリットもあるので、いろんな調理法で食卓を賑やかにして下さい。

 まだ経験のない方は、レパートリーを増やすためにも、低温調理にチャレンジしてはいかがですか?

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