ハートフルクリニックの平良です(^_-)-☆
血糖コントロールに亜鉛がいかに重要かを語りたいと思います。
高血糖や空腹時血糖値のノーマルハイ(基準値内での高い値)の背景には、亜鉛不足が関係していることが分かっています。
ノーマルハイ→高血糖→糖尿病の順に、血糖コントロールは悪化していきますので、大事なのは、どの段階で気づいて対処するかです。血糖値の基準値上限は、109mg/dL(検査会社によっては99とする場合もあります)です。
血糖コントロールに関する私の提案は、次のようになります。
- 【タイラズメソッド血糖管理】
- 第一段階:空腹時血糖85以上
- 第二段階:空腹時血糖90以上
- 第三段階:空腹時血糖95以上
- 第四段階:空腹時血糖100以上
- 第五段階:空腹時血糖110以上
- 第六段階:糖尿病診断、空腹時血糖126以上
- 第七段階:糖尿病悪化、空腹時血糖140以上
空腹時血糖値を時系列で確認すると年々加齢とともに上昇します。そのため空腹時血糖は、85以上から警戒する必要があります。理想的な血糖値は85以下です。
空腹時血糖値が上昇するには理由があります。
加齢とともに、体内の亜鉛が低下していきます。おそらくこのことが経年で血糖が上昇することと関係すると思われます。
今回のメインテーマは、血糖コントロールと亜鉛についてです。
亜鉛がいかに重要かは、すでに多くの論文が示しているとおりですが、要約すると次の通りです。
- ①亜鉛欠乏では、β細胞内のインスリン顆粒が減少する。
- ②亜鉛欠乏では、インスリン分泌量が減少する。
- ③亜鉛の補充でインスリン抵抗性が改善する。
- ④糖尿病患者で亜鉛を補充すると空腹時血糖が低下する。
- ⑤糖尿病患者では膵臓の亜鉛が50%低下している。
- ⑥亜鉛はインスリンクリアランスを抑制する。
- ⑦血中亜鉛濃度が高いと糖尿病のリスクが低下する。
- ⑧インスリン顆粒内に亜鉛を取り込むトランスポーターの働きが低い方が糖尿病を発症しやすくなる。
- ⑨β細胞は最も高い亜鉛濃度を示す。
- ⑩亜鉛が低い群は高い群より17%糖尿病リスクが高くなる。
以上のように加齢とともに減少する亜鉛には、インスリンを維持して血糖コントロールをいい状態にします。
そのためにも亜鉛を1日30mを摂取して下さい。
でも亜鉛の過剰摂取による副作用があるので、1日45mgまでをお勧めします。
また、採血で血清銅、血清亜鉛を測定して下さい。