ハートフルクリニックの平良です(^_-)-☆
前回の代謝経路図の記事(こちらをクリックして下さい。)では、代謝経路図の見方について、語りました。代謝経路図には、①主経路がある、②代謝の中心物質がある、③コントローラーが存在する。
今回は、その中でもコントローラーについて、語ります。
コントローラーを知ることは、代謝の流れを変えるテクニックを持つことになります。
その例として、リノール酸代謝の2つのコントローラーについて語ります。
リノール酸は、代謝されてγリノレン酸になり、さらに代謝されてジホモγリノレン酸になります。
コントローラー1
ジホモγリノレン酸は、通常の代謝経路として、抗炎症作用があるプロスタグランジンE1になりますが、代謝酵素の活性によっては、アラキドン酸に合成されます。
アラキドン酸にいくとその後プロスタグランジンE2が合成されて、炎症が促進されます。
ジホモγリノレン酸の代謝は、EPAがあると、プロスタグランジンE1に、インスリン抵抗性があるとアラキドン酸に合成されます。
そのため、ジホモγリノレン酸からアラキドン酸→プロスタグランジンE2に走っているインスリン抵抗性のあるメタボの方は、EPAを摂取することで、抗炎症作用のあるプロスタグランジンE1に戻すことができます。
コントローラー2
アラキドン酸移行の代謝は、大まかにみて代謝されてプロスタグランジンE2になる経路とプロスタグランジンD2になる、二股の経路があります。
そこでコントローラーになるのが、セレンです。
セレン不足では、抗炎症作用があり、睡眠をもたらすプロスタグランジンD2の合成が低下し、炎症を促進するプロスタグランジンE2の合成が盛んになります。
セレンが適値になる状態では、プロスタグランジンD2が適切に合成されます。
セレンは、治療域が狭いので、最大1日200μg摂取までとすることをお勧めします。というのもセレンの過剰では、プロスタグランジンD2の過剰により脱毛をもたらすことになるからです。
セレン過剰の副作用として、教科書的に”脱毛”と記載されています。
以上2つのコントローラーを駆使すると、EPAを摂取し適量のセレンを摂取することで、睡眠がもたらされ脱毛を防ぐことになります。
まとめ
このようにコントローラーを把握することで、今ある症状を変化させる可能性があります。
他にも、コントローラーは存在し、各種代謝経路図で、どちらに進むかを左右するものになります。
タイラズメソッドの手法である代謝経路図上のコントローラー・・・ぜひ把握して下さい。詳細は、タイラズメソッドセミナーで解説します。