ハートフルクリニックの平良です(^_^)
いつものようにサプリメント療法レシピファイルを更新していて、疾患に関する情報を毎回記載していますが、そのたびに感じるのが、腸内環境の大切さです。
腸内環境が乱れは、各種疾患の悪化と関係します。さらには自己免疫疾患の発症要因にもなります。腸内環境と関連する疾患は・・・
- ✔パーキンソン病
- ✔多発性硬化症
- ✔肥満
- ✔Ⅰ型糖尿病
- ✔炎症性腸疾患
- ✔関節リウマチ
- ✔自閉症
- ✔性格(動物実験で示唆)
- ✔アトピー性皮膚炎
- ✔COPDなどの呼吸器疾患
腸内環境のキーワードとなるのは・・・次の病態ですが、それぞれについて解説したいと思います。
- ✔デイスバイオーシス・・・腸内環境でいいとされているのは、善玉2割、悪玉1割、日和見7割がベストと言われています。そのコントロールをすることをフローラコントロールと称して、タイラズメソッドでは重要視しています。
- ✔αディフェンシン・・・αディフェンシンは、小腸内で合成される抗菌ペプチドであり、食べ物でも合成が促進されます。一部の青汁はその合成を促進する他、ビタミンB3やビタミンDも使えます。その他にもαディフェンシンを増やす方法があります。デイスバイオーシスでは、αディフェンシンの合成が低下します。
- ✔細菌叢多様性・・・腸内細菌は500種から1000種、あるいは100種類から3000種類もあると言われています。2次胆汁酸がその多様性を減少させます。抗生物質の使用、偏食も、さらには高脂肪食、加齢、ストレス、過労、一部の薬剤、暴飲暴食が細菌叢の多様性を減少させます。ライフスタイルの改善が大切です。酪酸はその改善に使えます。
- ✔2次胆汁酸・・・2次胆汁酸は発がんをもたらす他デイスバイオーシスや細菌叢多様性に変化をもたらします。高脂肪食は2次胆汁酸が増える要因になります。
- ✔亜鉛不足・・・亜鉛不足は、デイスバイオーシス、消化吸収低下をもたらします。デイスバイオーシスは亜鉛不足をもたらします。亜鉛の不足を改善するには、亜鉛の補充以外に善玉菌サプリメントと低分子水溶性食物繊維の摂取が必要です。
- ✔有機酸・・・善玉菌で有機酸が増え、栄養素の吸収がよくなります。デイスバイオーシスの状態では、有機酸が減少し、そのために蠕動運動が減少し、吸収も低下します。
- ✔シンバイオテイックス療法・・・シンバイオテイックス療法とは、プロバイオテイックスとプレバイオティクスを使用する治療で、腸内環境を改善します。善玉菌サプリメントだけでは改善しないので、食物繊維を同時に使用する必要があり、下記に記載している全身性炎症反応症候群(SIRS)にも有用性が指摘されています。
- ✔高脂肪食・・・高脂肪食は2次胆汁酸が増加し、デイスバイオーシス、細菌叢多様性減少の原因になります。
- ✔胃酸低下・・・胃酸低下もデイスバイオーシスの要因になります。胃酸分泌の低下は、加齢による胃粘膜の萎縮、ピロリ菌が要因になります。Lカルニチンは胃の機能を改善し胃酸分泌を促進します。
- ✔歯周病・・・口腔内トラブルである歯周病は、デイスバイオーシスとも関連します。
- ✔全身洗浄料・・・全身洗浄料の成分がデイスバイオーシスをもたらすという報告があります。成分をよく確認すること栄養療法医師に相談することをお勧めします。
- ✔バクテロイデス・・・日和見菌であるバクテロイデスは、自閉症では改善をもたらす一方で、大腸癌や炎症性腸疾患では毒素を産生し悪さをします。
- ✔リーキーガット・・・腸粘膜透過性が亢進して正常な腸粘膜の機能が失われ、自閉症をはじめとする各種疾患を起こします。改善するには腸粘膜修復作用のある善玉菌の他、腸粘膜再生に必要な素材を活用することです。
- ✔鉛汚染・・・鉛が体内に侵入すると腸蠕動が低下し、デイスバイオーシスの要因になります。
- ✔腸蠕動・・・前述のようにデイスバイオーシスの要因になります。女性ホルモンやストレスは腸蠕動を低下させる要因になります。
- ✔カルシウム代謝異常・・・カルシウム代謝異常は腸内の炎症と関連します。
- ✔全身性炎症反応症候群(SIRS)・・・腸管免疫の機能低下は炎症性サイトカインによる多臓器不全をもたらします。
それぞれの対策は、個別に対応する必要があるため、なんとも言えませんが、一つだけ言えるのは、ライフスタイルの改善、アレルギーがなければ納豆、キムチ、ヨーグルト食などがよろしいでしょう。