ハートフルクリニックの平良です(^_^)v
癌細胞における増殖メカニズムには、アミノ酸を取り込みエネルギーに変えたり、活性酸素に対する耐性を構築して抗がん剤の作用を阻害するアミノ酸トランスポーターと言われる、アミノ酸の吸込み口が存在します。
一部を紹介するとxCTと言われるアミノ酸トランスポーターは、シスチンというシステイン2分子を取り込み、その結果抗がん剤に対する耐性を獲得する機構も存在します。
さらにグルタミンを取り込みエネルギーに変えるアミノ酸トランスポーターも存在します。このトランスポーターはナトリウムがあるとその働きがうまくいくので、やっかいです。癌はグルタミンを増殖のエネルギー源の一つとして利用しています。その取り込みを助けるのがナトリウムなのです。
塩分の摂取は、細胞膨張シグナルの他に、このグルタミンの取り込みにより、癌の増殖を助ける働きがあります。
なので・・・癌罹患者においては、ナトリウムの摂取を制限する必要があります。
血液中のナトリウム濃度のコントロールを、指導する必要がある上、そのために、塩分を含む食品の制限を指示する必要があるのです。
体に必要なナトリウムですが、癌の治療にとっては、不利に働くので、癌の統合医療を目指す医師においては、そのメカニズムを理解しながら、ナトリウムだけではなく、サプリメントとしてのグルタミン摂取制限、PI3Kの抑制を図りながら、ナトリウムコントロールをすることをお勧めします。
ナトリウムによる細胞膨張シグナルについては、スライドNo.11、PI3K、Akt、mTOR、癌転移、低酸素遊動因子、VEGFに掲載しています。近くに掲載しているPTENという癌抑制遺伝子も参考にして下さい。
PTENについては、サプリメント療法レシピファイルの最新には掲載があります。
サプリメント療法レシピファイルの更新は、9月に行います。