クイーンオブビタミン・・・B3の重要性

2016年05月16日タイラズメソッド

ハートフルクリニックの平良です(^^)

今回は、タイラズメソッドセミナーで、私が使用する造語ですが・・・キングオブビタミンのB6に対して、クイーンオブビタミンのB3をテーマに語ります(^_^)v

精神安定にはB6、体のエネルギー産生にはB3と・・・少々役割は異なりますが、王様と女王に匹敵するものと考えています。

特にB3はB6が欠乏すると合成できないし、B3不足になるとトリプトファンからB3合成に走るので、セロトニン合成がままならなくなり(スライドNo.4(トリプトファン→セロトニン、ニコチン酸新、キヌレニン経路)、4-2(統合失調症とトリプトファン代謝)参照)、精神に影響します。

両方とも、心と体をサポートするビタミンですが、B3はアミノ酸のトリプトファンから合成されるところが、、、とてもユニークです。

よくB群が欠乏した状態を一般的な血液検査でも確認できて、その補充を指摘するケースを各種セミナーで耳にしますが、補充よりも大事なものがあると考えています。(もちろん補充も大事ですよ(^^))

さらに、前述のようにB3とB6は密接な関係にあり、B6がないとB3も合成されにくいので、B群が協同して動いている1例を垣間見る感じです。

スライドNo.4を見ていただけるとNAD合成後に様々な働きをしているのが確認できます。働き者の”おかあさん”の様です。

特に複合体Ⅰで使われるB3は、今度は複合体Ⅴを活性化するため、複合体でも大活躍し、ATP産生に寄与しています。(スライドNo.21(ミトコンドリア複合体と抑制、促進)参照)

スライドに提示しているとおり、乳がんの場合はまずいことになりますので要注意。

通常、体内炎症があるとトリプトファンからキヌレニンを合成する、キヌレニン経路が活性化されます。

その影響でセロトニン合成が低下するので、炎症ではうつ傾向になります。

一方でビタミンB3合成は順調にできなくなり、トリプトファンからB3の合成が低下する現象が見られます。

つまり炎症→B3低下になることが多いことを臨床上でも確認できます。詳細はセミナーで・・・。

多くの場合炎症は腸内で起きているので、デイスバイオーシスにより100兆から1000兆の巨大な臓器とも言える善玉細菌叢が、その主たる働きのB群合成を停滞させられ、人体に供給する量を減らしていると思われます。

なので補充・・・ですが・・・そもそもデイスバイオーシスの改善と、そのようになった理由に対して対処しなければなりません。

B3合成が停滞した場合・・・ミトコンドリアの機能低下、アルコール分解停滞、殺菌(呼吸バースト)低下、解毒、BH4の合成に関係するためセロトニンやドーパミン合成低下などの弊害が出てきます。逆にアルコールの多飲はB3不足になることもあるし、細菌感染が長引くとB3不足になります。

特に溶連菌感染はB3欠乏をもたらすので要注意。

腸内環境の徹底した改善が求められます。

B3合成の邪魔になるのがロイシン・・・これを分解するべくビオチンが必要ですが、ビオチン欠乏は各種悪さをします。(スライドNo.4に記載あり)

なのでビオチン(これもB群)の補充か、アシドフィルスの補充をする必要があります。でもデイスバイオーシスとその背景にあるかもしれないSIBOや鉛、さらに上流に行くと口腔内のトラブル、上咽頭の炎症なども考慮する必要があります。

このように腸の環境は、きちんとルールアウトする必要があります。

さて・・・話を戻して・・・クイーンオブビタミン・・・B3ですが、成長ホルモン分泌促進など癌では使用しづらいものとなります。スタチンと併用すると横紋筋融解の落とし穴もあります。

B3は諸手をあげて積極的に使えるものではないのですが、その働きは人体に多岐にわたり恩恵をもたらします。

使うに際しては最新の知識、細心の注意を払って下さいませ(^^)

追記・・・お持ちの方は、詳細をサプリメント療法レシピファイルで確認されて下さい。

LINEで送る

ページトップへ戻る

© 2013 Dr.TAIRA