ハートフルクリニックの平良です。
私が提唱しています代謝栄養療法・・・
その特徴の一つは・・・代謝経路図を活用して代謝を読み取ること、ピンポイントに治療が必要な箇所を把握すること、治療に必要なサプリメントや栄養素を把握すること、最小限の検査からそれらがわかります。
代謝経路図を用いると・・・最小限の検査でも・・・次のことができます。
病歴+検査+代謝経路図⇒病態把握+治療に必要な栄養素などの治療法の把握となります・・・
代謝経路図を用いると・・・
① 代謝経路図上の異常個所をピンポイントで把握することができます・・・コストをかけて多くの検査を実施して初めてわかる治療メニューより・・・必要最低限の限られた検査結果に代謝経路図を照らし合わせると・・・代謝の異常個所が見えてきます。
コストパフォーマンスが高くなります。
※代謝経路図は、異常個所を見つけるのに・・・
まさにテコのような役割を果たします。
たとえば・・・今では常識となっていますが、大量のブドウ糖(グルコース)を点滴後、乳酸が過剰に産生され結果、死亡に至る事故がありました。
【代謝経路図が重要な例①】
今では常識的に知られていますが、代謝経路図で見ると、起こり得るものとして理解できます。代謝経路図でグルコースがピルビン酸に代謝されますが、そこからピルビン酸はアセチルCoAになるか乳酸になります。
ミトコンドリアの機能が低下している場合、B群、αリポ酸などが不足するとアセチルCoAを合成することができず、過剰になったピルビン酸は乳酸に代謝されます。その結果代謝の異常(アシドーシス)が起こり、重篤な状態をもたらします。
【代謝経路図が重要な例②】
血液検査でコレステロールが低い方が、それにもかかわらず・・・ケトン体が高い場合(むしろ起こり得ます)・・・何が考えられるでしょうか?
これも代謝経路図とにらめっこすると答えが導きだせます。
使用するのはタイラ経路図No.1、HMG-CoAからコレステロールへの代謝です。
代謝経路図から読み取れることは・・・
ミトコンドリアの機能はそれほど低下していない(ミトコンドリアにのみ存在する酵素が働いていること)が、小胞体ストレスがかかっている可能性(小胞体に存在する酵素の阻害)
さらにビタミンB3不足(酵素活性に必要)、同時にトリプトファン代謝におけるB3合成ができない(トリプトファンはB3合成に必要です、炎症があると阻害されます)
ATP(酵素活性に必要)産生が若干低下している、コエンザイムQ10が不足している
HMG-CoAリダクターゼという酵素の阻害がかかっている可能性があり、インスリンなどのホルモン上昇が考えられる・・・などなど多くの状況が考えられます。
コレステロール↘、ケトン体↗から以上のことが読みとれます。
他の検査も合わせると・・・異常を絞りこむことができます。
この場合の異常は、アセチルCoAやHMG-CoAから代謝の下流がうまくいっていないことを意味します。
②代謝経路図から必要な栄養素やサプリメントがわかります。
前述のコレステロール低値&ケトン体高値の場合・・・必要な栄養素や対策としては・・・
B3、B6を中心としたB群、αリポ酸、Lカルニチン、ミトコンドリアの機能を低下させる環境要因の排除(トランス脂肪酸、有害金属、環境ホルモンなど)、小胞体ストレスを解除する栄養素やサプリメント、ATP産生を促進するサプリメントなどが必要です。
さらに体内炎症も示唆されるので、腸内環境を確認する必要があります。
このケースで、もし精神疾患がある場合は、小胞体ストレスの関与が大きく考えられます。
などなど・・・代謝経路図を用いると・・・まるで・・・てこの原理のように・・・病態把握や治療メニューに必要な情報の数々が浮かんできます。
このように代謝経路図を用いた治療の有用性を経験している医師や歯科医師の先生方は少なくありません。
タイラズメソッドは・・・代謝経路図を用いて治療をする、そのような特殊な栄養療法なのです。
代謝経路図、代謝栄養療法に・・・興味をお持ちの方に情報提供でした・・・
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