タイラ経路図、第28弾、嫌気性解糖のスライド・・・NADPHが鍵・・・

2014年10月2日お知らせ

タイラ経路図、第28弾ですが・・・嫌気性解糖です。

この経路図は、ブドウ糖からピルビン酸に至る経路です。

この経路には、いくつかの側路があります。

一つはペントースリン酸回路、HMS回路、エムデンマイヤーホッフ回路と呼ばれる側路で・・・G6PDを用いてNADPHを合成するものです。

このNADPHが、自然免疫、核酸合成、ATP産生、ステロイドホルモン合成、還元型グルタチオン合成、脂肪酸合成へと向かいます。

なのおで非常に大切な経路ですが、身を守るためにいい経路であるがゆえにがん細胞ではG6PDを活性化して、NADPHを合成→還元型グルタチオン合成により、抗がん剤による抵抗性を獲得しています。

G6PDはインスリンで活性が高くなるので、G6PDの測定値は、インスリン抵抗性を見るのと同時に、がんの予後にも関係します。

もう一つの側路は、2,3DPGを合成する経路です。

この2,3DPGは、酸素を末梢組織に多くるのに必要です。
これがないと末梢低酸素になり、がんの発育を促す結果となります。

インスリンがあるとこの2,3DPG合成の側路にいかず、合成が低下、その結果末梢低酸素となります。

2つの側路で言えることはインスリンがあると嫌気性解糖の側路が前述のG6PD活性化、後述の2,3DPG抑制で、がんの転移や増殖、治療抵抗性には有利になるのです。

そもそものインスリン抵抗性に対する対策が必要になります。

その一つは抗炎症となります。

TNF-αなどの炎症性サイトカインがあると、インスリン抵抗性が増します。TNF-αを抑制する素材を使用することです。

これらについては別の機会に・・・

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