脳内ホルモンと栄養

2022年07月12日ホルモン

脳内ホルモンと栄養

 

  1. 1、はじめに

私たちの、やる気、意欲、不安、興奮、怒りなどの人格や性格といわれる目に見えない精神は、脳内ホルモンの働きに強く影響されています。

それらホルモンの働きが正常であることは、精神的な健康を維持するためにとても重要です。

今回は、そのホルモンの働きを適正に保ち、日常を穏やかに生きるため、食やライフスタイルの工夫について語ります。

 

  1. 2、脳内ホルモンの種類

精神に影響を与えるホルモンにはどのようなものがあるでしょうか?

聞いたことがあると思いますが、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、メラトニン、ギャバ、アセチルコリンなどがあります。

ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンは、フェニルアラニンから、セロトニンとメラトニンはトリプトファンから、ギャバはグルタミン酸から、アセチルコリンはLカルニチンから合成されます。

ホルモンの材料となる食べ物は、次の通り。

✓フェニルアラニン・・・乳製品、大豆、小麦、かつお、湯葉、高野豆腐、豚ゼラチン、黄な粉などに含まれています。

✓トリプトファン・・・小麦、乳製品、牛肉、シャケ、大豆、バナナ、小麦胚芽、納豆、豆腐、海苔、ナッツ、ゴマ、カツオ、マグロに含まれています。

✓グルタミン酸・・・小麦、大豆、湯葉、豚ゼラチン、カツオ、高野豆腐、きな粉、トマトに多く含まれています。

✓Lカルニチン・・・羊肉、鹿肉、牛肉、豚肉、鳥肉、カツオに含まれています。

特に、フェニルアラニンとトリプトファンは、体内で合成されない必須アミノ酸なので食べ物から摂取することが重要です。大豆、ゴマ、カツオ、納豆、海苔など、日本食にはトリプトファンやフェニルアラニンがあり、メンタルを維持するには日本食がいいこと・・・お気きづきでしょうか。日本人でよかったですね~。

 

  1. 3、ホルモンの働き

それぞれのホルモンには次のような働きがあります。

ドーパミン・・・快感・喜び・やる気・攻撃・・・不足でパーキンソン病、過剰で統合失調症と関連します

ノルアドレナリン・・・不安・集中力・焦燥感・恐怖・怒り・意欲・・・過剰で気分の激高が起こります。亜鉛が不足するとノルアドレナリンの量が増え、気分の変調が激しくなります。亜鉛を多く含む大豆を摂取して下さい。

アドレナリン・・・感情を増幅させる。いい気分も悪い気分も両方とも、増大するので、感情を左右するものとなります。

セロトニン・・・精神の安定・抗不安・意欲・・・不足するとうつになります。朝に光を浴びると午前中に高くなるのが、セロトニンです。朝から元気を出すためには、朝日を浴びる必要があります。

メラトニン・・・睡眠・美白・免疫を上げる・・・不足すると不眠になります。メラトニンは、暗くなったら分泌されてくるので、寝る30分前には、部屋を暗くする必要があります。

ギャバ・・・睡眠をもたらす・抗不安・幸せを感じる・・・不足は発達障害や不眠と関連します。ギャバを含むたべものとして、トマト、カボチャ、パッションフルーツ、ジャガイモ、発芽玄米などがあります。気分の落ち込みがある人、不眠がある人は、おすすめです。

アセチルコリン・・・認知機能を高める・記憶力を上げる・・・不足は認知症と関連します。認知症を避けたい人は、大豆と卵黄を食べましょう。

 

  1. 4、腸内環境と脳内ホルモン

上記のアミノ酸を含む食品を摂取するとホルモンの合成がスムーズになります。

そのためには、それら材料となる物質を吸収する腸内環境がいい状態にある必要があります。すなわち腸内に善玉菌がいて、毎日お通じがあることが求められます。

Lカルニチンは、キャンピロバクタ・ジェジュニやマイコバクテリウム・パラチュバキュローシスの感染をきっかけに自己抗体ができる可能性があり、吸収が阻害されます。

もし、腸内が悪玉菌優位で、腸内で慢性的な炎症があると、炎症により産生される物質は脳内の炎症も引き起こし、うつや気分の変調など精神に影響するだけでなく、統合失調症、発達障害など様々な疾患を引き起こす要因になります。

 

  1. 5、脳内ホルモン・・・まとめ

今回のテーマは、脳内ホルモンですが、これらホルモンの状態がいいか、悪いかはメンタルに影響しますので、結構大切なテーマとなります。

皆さんの日常はいかがでしょうか?

精神状態は、性格によるもの以外に脳内できるホルモンという物質によって、左右され、さらにその量の多い、少ないは腸内環境に左右され、加えて腸内に炎症があると脳内ホルモンの合成にも影響を与え、メンタルを左右します。つまり腸と脳はそれぞれに影響しあうのです。

日本食の中心的存在であり、私の大好きな大豆は重要です。

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