代謝経路図におけるコントローラー・・・リノール酸代謝を例に。

2019年11月6日代謝経路図

ハートフルクリニックの平良です(^_-)-☆

 

前回の代謝経路図の記事(こちらをクリックして下さい。)では、代謝経路図の見方について、語りました。代謝経路図には、①主経路がある、②代謝の中心物質がある、③コントローラーが存在する。

 

今回は、その中でもコントローラーについて、語ります。

 

コントローラーを知ることは、代謝の流れを変えるテクニックを持つことになります。

 

その例として、リノール酸代謝の2つのコントローラーについて語ります。

 

リノール酸は、代謝されてγリノレン酸になり、さらに代謝されてジホモγリノレン酸になります。

 

コントローラー1

ジホモγリノレン酸は、通常の代謝経路として、抗炎症作用があるプロスタグランジンE1になりますが、代謝酵素の活性によっては、アラキドン酸に合成されます。

 

アラキドン酸にいくとその後プロスタグランジンE2が合成されて、炎症が促進されます。

 

ジホモγリノレン酸の代謝は、EPAがあると、プロスタグランジンE1に、インスリン抵抗性があるとアラキドン酸に合成されます。

 

そのため、ジホモγリノレン酸からアラキドン酸→プロスタグランジンE2に走っているインスリン抵抗性のあるメタボの方は、EPAを摂取することで、抗炎症作用のあるプロスタグランジンE1に戻すことができます。

 

コントローラー2

アラキドン酸移行の代謝は、大まかにみて代謝されてプロスタグランジンE2になる経路とプロスタグランジンD2になる、二股の経路があります。

 

そこでコントローラーになるのが、セレンです。

 

セレン不足では、抗炎症作用があり、睡眠をもたらすプロスタグランジンD2の合成が低下し、炎症を促進するプロスタグランジンE2の合成が盛んになります。

 

セレンが適値になる状態では、プロスタグランジンD2が適切に合成されます。

 

セレンは、治療域が狭いので、最大1日200μg摂取までとすることをお勧めします。というのもセレンの過剰では、プロスタグランジンD2の過剰により脱毛をもたらすことになるからです。

 

セレン過剰の副作用として、教科書的に”脱毛”と記載されています。

 

以上2つのコントローラーを駆使すると、EPAを摂取し適量のセレンを摂取することで、睡眠がもたらされ脱毛を防ぐことになります。

 

まとめ

このようにコントローラーを把握することで、今ある症状を変化させる可能性があります。

 

他にも、コントローラーは存在し、各種代謝経路図で、どちらに進むかを左右するものになります。

 

タイラズメソッドの手法である代謝経路図上のコントローラー・・・ぜひ把握して下さい。詳細は、タイラズメソッドセミナーで解説します。

 

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