NADの重要性・・・エネルギー代謝の促進剤

2016年03月26日お知らせ ,代謝経路図

ハートフルクリニックの平良です。

NAD(ニコチン酸アミド・アデニン・ジヌクレオチド)について論じてみたいと思います。

NADは、解糖系やTCA回路では、水素と結合しNADHになり、NADHは複合体Ⅰで処理され水素が膜間スペースに入り込み、ATP産生に利用されます。

NADはトリプトファン代謝のキヌレニン経路で合成されますが、何らかの疾患や栄養素の不足、特にビオチン不足の状態では、トリプトファンからNAD合成が低下するので、ビオチンを補充する必要があります。そうしないとNAD合成量が低下します。

フェカリス菌はビオチンを消費するので恒常的にサプリメントとして摂取しているとビオチンが不足してNAD合成量が低下する可能性があります。

アシドフィルスはビオチン産生するのでお勧めです。

NADは、グルコース→→→ピルビン酸→→→アセチルCoA、やTCA回路の3カ所で時計方向回転させるために必要です。
すなわちグルコースからピルビン酸、そしてTCA回路を順調に回すために、NADが必要になります。

NADH/NAD比は、乳酸/ピルビン酸比で類推することができるので、嫌気性解糖やミトコンドリアでのエネルギー産生がどのようになっているかを推測することができます。

乳酸/ピルビン酸比は通常は20以下ですが、これが高くなっているということは、エネルギー産生が低下していることを意味します。

ミトコンドリアの機能を間接的に診るのに活用できます。

臨床で活用できるので、ぜひ活用されて下さい。

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